成年後見Q&A
「成年後見Q&A」をご覧いただき、ありがとうございます。
この問答集には、職務上知り得た具体的な内容は、一切記述してありません。これはあくまで、協会と会員が職務を遂行する上で知識として蓄えたものを基に、分かりやすく編集し解説したものです。このQ&A集が少しでもみなさまの参考になれば幸いです。
任意後見についてのQ&A
年齢の高齢化と共に、財産の管理等が億劫
Q. | 施設に入所していますが、高齢のため年金の管理や施設の費用、各種保険の処理等が年々億劫になり、自分で管理するのに自信がなくなり、その管理などを妹に頼みたいのですが。 |
A. | 財産管理や支援してもらう人を自身の意思で希望されており、契約能力も認められます。 公正証書によりご自身の意思で妹さんと任意後見契約を結びます。 登記されたあと、判断能力が衰えた旨の診断書が得られたら、妹さんから家庭裁判所へ任意後見監督人の選任の申立てをされるのがよいでしょう。 |
将来の認知症が心配
Q. | 将来の認知症が気がかりで、老後の財産について考えるようになりました。 また、最近、足腰が弱り、できれば銀行からの引き出しや買い物なども、信頼できる人にお願いしたいのですが・・・。 |
A. | 判断能力が十分におありになりますので、お元気なうちに任意後見のご利用をお勧めいたします。 不自由になっても、ご自分の信頼できる人に守りたい財産管理を託すことや、具体的な福祉サービスなどの内容を定めます。 判断能力が不十分になり、任意後見監督人が選任されるまでは、委任契約によって支援してもらいましょう。 |
上記、「任意後見についてのQ&A」は、本人に判断能力があることを前提としています
法定後見についてのQ&A
認知症高齢者の財産管理
Q. | 認知症が進行している義母の世話をしています。貯金や年金の管理のほか、施設等へ入所するようになった場合の対応が心配です。 |
A. | 親族の皆さんで話し合いをされ、できれば親族の中から後見人となる方を選んで後見開始の申立てをします。 財産管理や福祉サービスなどで支援が多岐にわたる場合などには、複数人の後見人で役割を分担することもできます。 |
知的障がい者の生活支援
Q. | 知的障がいの長男がいます。 私たち(両親)の死後、長男を守ってくれるのは? |
A. | ご両親が後見人候補者となり、後見開始の申立をします。 将来、後見人であるご両親の能力が不十分になったり亡くなったりした場合、新たな後見人が家庭裁判所で選任されます。 (後見類型の例) |
財産が詐取されているのでは?
Q. | 叔母は浪費が目立ち、必要の無い健康食品や訪問販売などで高額な買い物が多く心配です。 また、知人を装ってくる人に多額の預貯金が騙されて取られていることも分かりました。 |
A. | 早いうちに後見等(後見・保佐・補助)開始の申立をされ、財産を守る必要があります。 また、あなたを含めた親族が遠い県外などにいて支援できない場合や、後見人等になる人がいない場合は、法律の専門家などの第三者が後見人等になることができます。 (後見類型の例 |
遺産分割協議をしたいが
Q. | 亡くなった姉は多額の財産を残しています。 生前、妹は姉から贈与を受けていますが、認知症の症状が現れており、私も高齢で身体に自信がありません。今後に備えて財産分けをしたいのですが。 |
A. | 妹さんには支援をする保佐人が必要と思われますので、家庭裁判所に保佐開始の申立をします。 保佐人が決まりましたら、相続人全員が参加して遺産分割協議をします。 なお、相続人の1人が保佐人になった場合は、特別代理人にあたる臨時保佐人を家裁に選任してもらいます。 (保佐類型の例) |